大谷翔平の手術回避 秘かに喜ぶチームとNHKの思惑

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集客力アップ

 なぜ、大谷はトミー・ジョン手術ではなく、PRP治療を選択したのか。

「本来、ピッチャーの年齢が30歳以下であれば、トミー・ジョン手術を受けさせ、完治を目指します」

 とは、メジャー担当記者。

「けれど、肘にメスを入れると、最低でも14カ月は試合には出られなくなる。エンゼルスにとって、大谷はもはや集客に欠かせない存在。出場すれば、観客数が2割も増える。ですから、PRP治療で早々に復帰させたわけです。しかも、このまま打者に専念してくれれば試合に出続けられるから、チームとしては集客が見込めるし、メジャー中継をするNHKも視聴率が取れるので、これ幸いというところもあるのです」

 つまり、ビジネス優先ということなのだ。

 しかし、野球評論家の張本勲氏は、こう指摘する。

「大谷の将来を考えたら、早くトミー・ジョン手術を受けさせるべきです。騙し騙しプレーを続けていたらバッティングにも支障を来すことになる。左バッターには、右肘の回転が重要です。ただ、100年に1人の逸材なのは、やはり投手の大谷です。なので、1年を棒に振っても肘にメスを入れ、投手として完全復活し、メジャーの歴史に名を残す活躍をしてほしいですね」

 二刀流が虻蜂取らずになっては、何の意味もないのである。

週刊新潮 2018年8月9日号掲載

ワイド特集「台風一家」より

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