「埋め立て承認」撤回の狙いは 翁長知事に“話くゎっちー”の声

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 イタチごっこである。辺野古への普天間基地移設を巡って、再び法廷で争われることになりそうだ。

 7月27日、翁長雄志沖縄県知事(67)が、辺野古沿岸部の埋め立て承認を撤回すると表明した。これを受け、沖縄主要2紙は号外を発行し、地元テレビ局もトップニュースで扱う注目ぶりだ。

「反対派とマスコミが盛り上がっているだけ」

 と、冷静な意見の県政担当記者もいる。

「辺野古を巡っての法廷闘争はこれまで何度もあり、2年前には最高裁で県側が敗訴した。その司法判断を無視して闘っても民意が付いていきませんよ」

 撤回処分の取り消し訴訟に発展すれば、県側がまた負けるだろうと、記者は予想する。官邸関係者も、「台風が来て工期が遅れたと思うだけ」と余裕だ。知事が闘い続けるのはなぜか。

「11月の県知事選に向けてです。移設反対派は翁長さんの支持基盤ですからね。承認撤回を必ずやる、と宣言した1年以上前から具体的な動きのない知事に、反対派は不満が溜まっている。陰では“話くゎっちー”と言われてます」(先の記者)

 直訳すると、“話ご馳走”。話だけが贅沢で何も伴わない、という皮肉が身内でも飛び交っているワケだ。挽回しようと積極的に動く知事には別の狙いもある、と見るのは地元関係者。

「知事選の争点を自分の健康問題から辺野古移設問題に逸らしたいのです。膵がんの手術をしてからの健康状態を見れば、不出馬を表明すべし。が、周囲の期待も強く、本人にも再選の意志がある。ただ、知事任期は4年ですよ。選挙までの数カ月だけ視線を逸らすのは、民意に寄り添っているとは思えません」

 イタチごっこを好む知事が放つイタチの最後っ屁。

週刊新潮 2018年8月9日号掲載

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