記者泣かせ「遠藤」の沈黙 祖父が明かすその理由

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「うん」しかない

 小学生の遠藤に相撲の指導をした石川県穴水町相撲連盟の上野勝彦副会長は、

「お父さんの“礼儀を身につけさせたい”という意向で、小1から指導しました。飲みこみが早く、ほかの子は3カ月はかかる“鉄砲”も、1〜2週間でマスターしました。ただ、無邪気な普通の小学生でしたよ」

 と回想するが、では、沈黙のクセはいつからか。さる相撲ジャーナリストは、

「入幕したころから、負けると支度部屋で記者に背を向けて座っていました」

 先のスポーツ紙記者は、

「追手風親方が、“下手なことを話しても真意が伝わらないこともあるので、それを避けているのではないか”と語ったことがある」

 と言うが、真相やいかに。祖父の遠藤勇さんに聞いた。

「孫は元々、口数が少ない静かな人間で、記者から質問されるのが好きでないんです。“もう少し話してくれたら”というマスコミの方の声は私の耳にも入っているので、“もっとちゃんと記者さんに受け答えしたらどうだ”と言ったことがある。でも、孫は“うん”と返事しただけです(笑)。相撲一途で、余計なことを話すより土俵を見てくれ、という思いなんですよ」

 すると、改善の見込みはないのか?

「今場所も終盤は上腕筋の肉離れに悩まされ、その痛さが増してくると、余計に口数が減ってくるのだと思う。私も毎日“残念だったな”とか“頑張れよ”とかLINEで送っていますが、孫からの返事は“はい、ありがとう”と“うん”しかないんですわ」

 とまれ、遠藤が「沈黙」と深い縁で結ばれているのは、間違いない。

週刊新潮 2018年8月2日号掲載

ワイド特集「太陽のせい」より

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