狙われた「西日本豪雨」被災者 避難中の家屋に侵入する“火事場泥棒”被害

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 災害のどさくさにまぎれて暗躍し、金品を奪取する不届き者は、このたびの「西日本豪雨」被害地域にも現れていた。

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「私は山の上の集会所に、女房は娘の家に避難していました。その前に家族で家を片づけ、ルイ・ヴィトンのバッグと財布を洗って台所に置いておいたんです。非常時だから玄関の鍵は開けっ放しでしたが……」

 と語るのは、岡山県倉敷市真備町の70代住人。洪水に襲われた真備町は、死者数51人にのぼった倉敷市の中でも最も被害が大きかった地域とされる。

「で、翌日家に戻ると、財布もバッグもない。全部で5つ。合わせて50万~60万円分くらいかな」

 火事場泥棒に目を付けられたのは、この住人だけではない。その隣人は倉庫の窓ガラスが丸く切り取られる被害に遭い、

「表通りのセブン‐イレブンも、ヘルメットをかぶった5、6人のグループに荒らされたといいます」

 いくつかの店舗では、金庫をこじ開けようとしたあとが残っていたという。

 豪雨からおよそ2週間。水害による心の傷、瓦礫などの災害ゴミがもたらす感染症などが危惧される被災者に対して、あまりにも惨い仕打ちである。このほか、ボランティアを装った連中が、集団で盗みを働くケースもあった。

 7月19日発売の週刊新潮では、西日本豪雨の爪痕を8頁にわたって特集。上記の「2次被害」について紹介するほか、復興までの遠い道のり、防災を無視して乱立された「太陽光パネル」の危険性について詳しく報じている。

週刊新潮 2018年7月26日号掲載

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