21年ぶりモデルチェンジ! 最高級車「センチュリー」を“自家用車使い”する人々

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御料車センチュリーロイヤル

 初代が発売された1967年は、グループ創設者の豊田佐吉(1867~1930)の生誕1世紀であることから、センチュリーと名付けられたとされる。米国の高級車に普及していたATを取り入れ、デザインには伝統的な日本の美と重厚さを取り入れた。当時の佐藤栄作首相(1901〜1975)の公用車となり、以後、内閣総理大臣専用車となっている(現在はレクサスも併用)。

 2代目は日本の市販車として初(現在のところ最初で最後)のV型12気筒5リッターエンジンを導入。フェラーリやランボルギーニなどに使用される12気筒エンジンだが、センチュリーではあくまで静かで滑らかなエンジンを目指した。万が一、エンジントラブルが起こって片側6気筒が不動となっても、残りの6気筒だけで走ることができるという。このエンジンをもとにした「センチュリーロイヤル」が、御料車として宮内庁に納入されたのは2006年のこと。もちろん、一般発売はされない特別仕様車である。

 このような存在であるから、いったいどのような乗り心地なのか、説明できる人が身近にいないのだ。

「そうでしょうね。購入するのは後ろ座席の人ですし、クルマ好きというわけでもないでしょう。陛下はクルマ好きとして知られますが、センチュリーの運転はされませんし……」

 とは、センチュリー・オーナーズクラブ「鳳凰倶楽部」の代表(50)である。鳳凰倶楽部が設立されたのは4年前とまだ新しいが、登録台数は95台を数える。毎月、オフ会を開催しているという首都圏のパーキングエリアにお邪魔した。

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