「日本の億万投資家名鑑」に登場32人の“執念と流儀”

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メンタルが大事

 最初の頃は、損をしてばかりでトレードの前に毎日トイレで吐くという時期もあったテスタ氏だが、今では保有資産約19億円である。

 主なトレード法は「スキャルピング」といって、数分間で何度もトレードを繰り返すというもの。いわば、デイトレードをさらに小刻みにした投資法である。

 どんな生活スタイルなのか。テスタ氏が言う。

「朝はマーケットが始まる前の8時半ごろに起きて、前日のアメリカの市場をチェックしています。9時に市場が始まると、お昼をはさんで3時まで数台のモニターに張りつくという日々です。時には、一日数千万円の損失を出すこともありますが、大事なのはメンタル。パソコンの前に座る時はいつもフラットな気持ちを保つ。これが大事です」

 ストレスが溜まりそうな毎日なのに、特別にリフレッシュ法があるわけではない。

「トレード自体がストレスとは思っていません。お金が増えて良かったなと思うのは、昔なら数百円のものでも買い渋っていたのが、高くても気にせず買えるようになったことぐらいでしょうか」

 淡々と話すテスタ氏だが、株で“億り人”になった投資家の中には馬を買ったり、秋葉原で店をやったりしている人もいる。

 もう1人『名鑑』に登場する「夕凪」氏は、資産運用額1億円超で、元IT企業のサラリーマンだ。

 最初は30万円を元手に株取引をスタートし、優待株の値上がりなどを狙った“イベント投資”というスタイルで稼ぎ続けた。その儲けで自宅も買ってしまったほどだが、2012年からは会社勤めに見切りをつけて専業投資家に転じている。

 その「夕凪」氏によると、

「私が知っている投資家の中には、200億円近くの資産を持ちながら、表に出てこない人など、株で資産を築いた人は他にもたくさんいるんですよ」

 32人は、その氷山の一角というわけである。

週刊新潮 2018年7月5日号掲載

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