ニッポン人“ワールドカップ狂騒” 乱れて散って午前4時

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 馬評を覆し、W杯初戦で強豪コロンビアを破り、世界から掌返しの称賛を浴びたサッカー西野ジャパン。7月3日のベルギー戦敗北でその道は途絶えたが、チームばかりか現地ロシアで試合後にゴミを拾うサポーターもまた、「これぞ日本人」などと持ち上げられた。

 転じて6月24日夜の東京・渋谷。いい気なものでコチラもすっかりアゲアゲだ。奇声を発して服を脱ぎ、路上で酒瓶を叩き割りながら「オー! ニーッポーン!」とがなり立てて歌う“熱心な”サポーターたちの姿がそこにはあった。

 盛り上がる彼らがいよいよ“キックオフ”したのは、代表チームがセネガル戦をドローで終えた25日午前2時。待ってましたとばかりにセンター街へ飛び出すと、DF、いや、DJポリスたちの警戒守備なぞどこ吹く風。押し合いへし合いから肩車に胴上げ、スクランブル交差点を横断しながらのハイタッチと、攻撃的フォーメーションで渋谷の街を駆ける。そのうち女性をナンパする者、涙目で嘔吐する者、はてはネズミの走り回る路地裏でひっくり返って寝てしまう者まで現れた。やっと皆が我に返り始めたのは、午前4時を回って空が白んでからだった。

 本当にサッカー観てた? そんな問いは愚か。「これも日本人」、なのだ。ああ、ハンパない半端ない。

週刊新潮 2018年7月5日号掲載

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