民主党OBたちが忘れ去りたい「間抜け」な失敗

政治2018年6月27日掲載

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埋蔵金がない!

 自民党政権時代の2004年度に年金改革が行われ、基礎年金の国の負担分を36・5%から09年度までに50%に引き上げられることが決まった。

 その増えた負担分はもともと消費増税で賄う必要性があると考えられていたが、政府はその判断を先送りに。

 自民党政権は「霞が関埋蔵金」と呼ばれた20兆円以上になる「財政投融資特別会計」の積立金の一部を流用することで、消費増税の決断を10年度以降に先送りにした。

 しかしこのタイミングで起きたのがリーマンショックを契機とする世界大不況。政府は「埋蔵金」を景気対策にも使ったため、予想以上に減ってしまい、10年度にはほぼゼロになっていた。

「民主党政権は毎年4兆円繰り入れられていた埋蔵金が尽きるタイミングに直撃してしまいました。そのため社会保障関係費はこの埋蔵金の枯渇に対応するため、08年度の22・6兆円から09年度には28・7兆円と6・1兆円も急増しました」

 この結果、公共事業費を削減した4兆円分は相殺されるどころか、差し引きで2兆円以上も予算が増えてしまったのである。

 宇佐美氏はこう述べる。

「霞が関埋蔵金を年金財源に流用する仕組みは自民党政権が期せずしてしかけた先送りの時限爆弾とも言えるので、その意味では民主党は気の毒でしたが、少し調べたらわかることを無視して初めからできもしない主張をしていたとも言え、間抜けといえば間抜けな話でした」

 他人を誉める場合よりも責める場合のほうが周到な準備が必要だというのは常識だろう。しかし、野党ならば批判しっぱなしで済むが、いざ与党となるとそうはいかない。理想と現実の間にあるものを冷静に分析する必要がある。

 結局のところ、民主党はそこを怠ったまま勢いに乗って政権を得て、瓦解した。

 残念なのは、その反省があまり感じられず、いまも往々にして、「よく調べないで他者を批判して、ツケが回る」という現象が見られる点だろうか。

デイリー新潮編集部

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