江川卓が「甲子園100回記念」始球式を拒絶するワケ

野球週刊新潮 2018年6月21日号掲載

  • 共有
  • ブックマーク

 高校野球史上に名を残す選手十傑を挙げるならば、この人を入れない訳にはいくまい。甲子園で92奪三振の記録を持つ“元祖怪物”の江川卓(63)である。夏の甲子園が100回目となる今年、主催の朝日新聞は、彼に始球式への参加を要請。ところが、“登板”を断ってきたという。そこには、ある事情があって……。

 今年の全国高校野球選手権大会は、100回を数える記念すべき大会とあって、主催者側も例年にないほど一大行事を盛り上げようと力を注いでいるという。

「その一つが始球式でして、試合ごとにかつて甲子園で鳴らした名選手たちに登場してもらう予定です」

 とは、さる朝日の社員だ。

「運動部の記者などを使って、依頼をしています。目玉の1人、5打席連続敬遠が社会問題にもなった星稜高校のゴジラこと松井秀喜から了承を得ていますし、他に、1983年に、史上4校目となる夏と春の連続制覇を果した池田高校の水野雄仁も快諾している」

 が、甲子園の名場面を振り返る際に、欠かせない人物が、依頼を断っていた。作新学院の江川である。

「彼は、3年生の夏大会に出場して2回戦敗退ですが、予選3試合でノーヒットノーランを達成するなど、“怪物”として知られていたから、外せません。巨人軍時代の江川番だった朝日OBに頼んで交渉したのです」(同)

 ところが、結果は意外なことに“ノー”だった。

次ページ:「格好悪いから」

前へ 1 2 次へ

[1/2ページ]