小宮山悟氏が“予言”していた「大谷翔平」の怪我 2、3年後も二刀流を続けるために…

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期待は150イニング、15本塁打

 ロサンゼルス・エンゼルスのマイク・ソーシア監督は、先発投手としての大谷に対して球数を100球前後に限定し、さらに十分な登板間隔を空けるだけでなく、降雨中断となれば早々に降板させるなど、配慮を欠かさなかった。こうした“過保護”が他の選手や米メディアから許されるのも、あのベーブ・ルース以来とされる二刀流の本格挑戦の底知れない可能性を誰もが目の当たりにしていたからだろう。

 大谷は6月7日にPRP注射と呼ばれる治療を受け、現在は再検査の結果待ちの状態だが、仮に早期に復帰できたと仮定し、小宮山氏が期待するのは次のような成績だ。

「150イニングを投げて、15本塁打を放つような成績を残せれば、1年目の成績としては合格点。もちろん、200イニング以上を投げて、規定打席に達するぐらい、打席に入れればそれにこしたことはありませんが、現時点においては体力的・物理的に無理で、仮にそれができるのならスーパーマンです。2年後、3年後も二刀流を続けるために、手応えを掴む一年にして欲しい。もし、シーズンを通して10本いかないぐらいの本塁打しか打てなければ、“投げることに専念した方がいい”という意見が大半を占めることになるはずです」

 もちろん小宮山氏も、ケガばかりを案じているわけではない。二刀流という未知なる道に挑戦する大谷にはエールを贈る。

「アジア人特有のコントロールの良さを持ちながら、球の速さは特筆すべきものがある。メジャーでも1イニング、20球前後しか投げないクローザーなら、コンスタントに100マイル(160キロ)を投げる投手はいますが、大谷の場合は100球を投げても、160キロをコンスタントに叩き出すわけですから……」

 ファン心理としては、できるだけ長いイニングを投げてメジャー選手を翻弄する大谷が見たいし、できるだけ打席に立ってスタンドに叩き込む姿をみたい。一番望むことは、いつまでも二刀流という先人なき挑戦を続ける大谷の姿である。

柳川悠二(やながわ・ゆうじ)
1976年、宮崎県生まれ。出版社勤務を経て、フリーのノンフィクションライターとなる。高校野球や柔道など、主にスポーツノンフィクションの分野で活躍し、2016年、 『永遠のPL学園』で小学館ノンフィクション大賞を受賞。

週刊新潮WEB取材班

2018年6月23日掲載

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