小宮山悟氏が“予言”していた「大谷翔平」の怪我 2、3年後も二刀流を続けるために…

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〈文:柳川悠二(ノンフィクションライター)〉

 開幕からおよそ3カ月、順風満帆で来ていただけに、あまりに残念な怪我であった。右肘靭帯の損傷で故障者リスト入りした大谷翔平のことだ。

 野球解説者の小宮山悟氏は、シーズン開幕前の2月下旬、筆者の取材に対してこの危険性をズバリと指摘していた。

 北海道日本ハム時代の大谷は、在籍した5年間でときおりマメができて降板したり、登板を回避したりするようなことがあり、16年のオールスターも同じ理由でマウンドには上がらず、野手としての出場にとどまったが、小宮山氏は別な“異変”を勘ぐっていた。

「日ハム時代にマメによって登板を回避した時、私の目には、マメだと嘘をついて、ヒジが張っているのを誤魔化しているように映った。しかしヒジが張るのは、160キロを投げられる投手の宿命のようにも思います。あれだけ力一杯に腕を振っていたら、そりゃあ、右腕のジョイント(関節)部分に過度のストレスがかかります。筋肉と骨をつなげる靱帯が劣化するのは、ある意味で仕方のないことなんです。もともと、自分自身の身体に神経質なほど気を遣っている彼ですが、DHとして打席に入ることによって、右ヒジのケアがおろそかにならないよう、彼をサポートするスタッフを含めて細心の注意を払って欲しいですね」

 4カ月後、この不安が現実となってしまったのだ。

 開幕前、小宮山氏が同様に懸念していたのが、二刀流を続けることによる身体の負担であり、打席に入った時のケガの心配だ。

「デッドボールを右腕にもらったりしたら、すべてが振り出しに戻りかねない。日本時代は、球界の宝に遠慮して、大谷のインコースを厳しく攻める投手はいなかった。自打球で足をケガするリスクもありますが、自打球を当てるのは下手くその証拠なので、自己責任です(笑)。落合博満さん(現野球解説者)が、『すね当てをしている選手は、“僕はインコースを打てません”と教えてくれているようなものだ』と話されていたことがありました。投手であった私から見ても、そのとおりですよね。自打球を当てるようなら、空振りしたほうがいい(笑)」

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