大阪北部地震に囁かれる「本震はこの後」説 死者8500人の想定も

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 6月18日に起きた大阪北部地震では、5人の命が奪われた。もしこれが、更なる悲劇の“予兆”だったら――。「本震はこの後」説が、くすぶっているのだ。

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 大阪の平野部には、「六甲・淡路島断層帯」や「上町断層帯」「有馬・高槻断層帯」など複数の活断層帯が存在している。

「今度の地震は、有馬・高槻断層帯の付近が震源だと見られていますね。仮にそうだとすると、近くを通る上町断層帯などに活動が伝わり、その断層帯を震源とした本震が、これから発生する恐れがないとは言えません」

 と解説するのは、東京大学地震研究所の酒井慎一准教授だ。地震がさらなる地震を引き起こした例でいえば、熊本地震がそうだった。2年前の4月14日夜にM6・5の“前震”があり、その後16日未明にM7・3の“本震”が発生。土砂崩れや家屋の倒壊で亡くなった直接的な死亡者の数でいえば、前震で9人が、本震で41人が犠牲になっている。

 避難後の体調悪化などによる「関連死」を含めれば、熊本地震の死者は267人。仮に大阪平野を南北約42キロにわたって縦断する「上町断層帯」が震源となり、熊本地震と同じM7クラスの地震が起きればどうなるか。大阪市の2016年の試算では、死者数は8500人と想定されている……。

 6月21日発売の週刊新潮では「大阪大地震」を7頁で特集。天王寺動物園やUSJ、飛田新地などの現地レポートのほか、“被害額1410兆円”の試算もある「南海トラフ地震」についても報じている。

週刊新潮 2018年6月28日号掲載

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