ついに「コカ・コーラ」も登場… 日本の飲み物がどんどん「透明」になるワケ

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各社炭酸水に参戦

 炭酸水をめぐっては、おなじみの赤いラベルの「アサヒ ウィルキンソン タンサン」に加え、今年3月には「カナダドライ ザ・タンサン」、4月には「サントリー 南アルプススパークリング」の各シリーズがお目見えした。“アサヒ”“コカ・コーラ”“サントリー”と、飲料大手各社が炭酸水に乗り出した形だ。

「日本人が炭酸水を飲み始めたのは、バブルの頃くらいからだったのでは。イタリア料理店に行って、あえてお酒ではなくペリエを飲む。そんなトレンドはあるにはありましたが、結局定着せずに終わった。それがここ10年くらいでしょうか。日本のどこのコンビニにいっても、炭酸水が売られるようになりました」(同)

 カロリーゼロで、歯に色もつかず、単的にいえば「カラダに悪い感じがしない」。炭酸水ブームもまた、健康志向を受けてと見ていいだろう。

 かねてよりの「フレーバーウォーターブーム」そして「炭酸水ブーム」を経て発売される“透明で味がして炭酸”の「コカ・コーラ クリア」は、もしや時代の申し子……?

「早速飲んでみましたが、また買うかというと……。キャップを開けるとコーラの香りがして、味はコーラ+レモン。炭酸はしっかり目です。甘味料の後味がやはり好きになれませんでした。透明コーラといえば、私の世代は90年代に売られた『タブクリア』を思い出しますが、それよりは飲みやすい気がします。とはいえやっぱりコーラは、砂糖を使った昔ながらのコカ・コーラが好きですね」(同)

年に1千種類の新製品が生まれる日本

 そんな「コカ・コーラ クリア」は、開発は米国本社だが、販売は日本だけの限定コーラであるという。その上で海外に目を向けてみると、ペリエを飲む文化やフルーツ味のフレーバーウォーターを飲む文化はあっても、“透明なカフェラテ”が売られる国は日本くらいだ。先に取り上げた「職場でジュースは飲みにくい」需要を鑑みると、ジュースが白い目で見られがちな日本社会がブラックだから、と思うムキあるかもしれないが……。

「日本でこれだけ透明な飲み物が増えているのは、新製品の多さに理由があると思います。飲料業界では、年間1千近くの新製品が発売され、そのうち残るのはほんの僅か。これは世界的に見てもハイペースで、コンビニなどの棚には次から次に新しい商品が並べられ、売れ行きが悪くなると、1週間で消える。日本人が新し物好きといってしまえばそれまでですが、この傾向ゆえに、ひとつ“当たり”が出れば乗っかるケースがありますね」

 例えば、昨年4月にサントリーが売り出した「クラフトボス」。缶コーヒーが主流の最中に、500ミリリットルのペットボトル入りで登場したこの商品は、発売から1年を待たずに2億4千万本を超えるヒットとなった。そしていま、コンビニのコーヒーコーナーを覗けば、似たような“大きめのペットボトルに入ったコーヒー”商品がいくつか並んでいる。

「透明飲料もそれと同じ動きで、ひとつ売れた商品が登場したのでそれに各社が追従していった形です。その結果、日本で発売される商品に透明が増えていくわけです。もっとも、以前コカ・コーラ社の方にお話を聞く機会があったのですが、日本限定商品がいくつかある中で、ヒットが見込める商品は世界展開も考えているといっていました。ひょっとすると透明コーラが本国で売られる日がくるかもしれませんね」

 黒船の逆、ということで色は透明――これから夏本番、ためしに手に取ってみてはいかが。

週刊新潮WEB取材班

2018年6月13日掲載

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