「無限の住人」で“キムタク”主演男優賞も幻に……日本映画批評家大賞中止のお粗末

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キムタクは頑張っていた

 それにしても酷評の多かった「無限の住人」でキムタクが主演男優賞とは意外だが――。

「興行収入が悪かったこともあり、必要以上に叩かれた作品だと思います。公開時期はSMAP解散後で、キムタクがすっかりヒールになってしまいましたしね。でもそこで、一言も反論せず、劇中の傷だらけの風貌は現実のキムタクに重なるものでもあった。片目をふさいでの大立ち回りなど、簡単にできるものではないし、異なる世界を演じてみせていたと思います。作品の中でキムタクはしっかり輝いていましたよ。もちろん、キムタクや満島を呼べば、授賞式にマスコミが来るだろうし、映画賞もより注目されるだろうということも選考理由のひとつではありますけど」(同)

 役者・木村拓哉を評価した上での授賞というのだ。だが、それも事務局は、“ミーハー”の一言で片づけたという。

「もう批評家大賞も終わりでしょうね。我々選考委員は解散する気ですし、こんな形で中止になった批評家大賞に批評家が集まるとも思えませんから。一体何をやりたくて、映画賞の運営を引き受けたのか、いまだに分かりません。儲かるとでも思っていたんでしょうか。それよりも、事務局はまだ、受賞者たちの所属事務所に中止の連絡もしていないようなのです。授賞式に出席の了解をいただいた俳優のみなさんや映画関係者の方々に申し訳ない……」(同)

 水野晴郎氏も草葉の陰で泣いていることだろう。

週刊新潮WEB取材班

2018年5月20日掲載

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