ハリル解任、背景に本田圭佑ら5人からの「直訴メール」

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会長に直訴メール

“ハリル・チルドレン”がこの有様なら、かねてより代表入りしていた古参、つまりFW本田圭佑やMF香川真司らは言うに及ばずだ。

 ここで昨年10月、欧州遠征を控えた直前合宿に時計の針を巻き戻してみよう。

「実は合宿中、香川が監督と言い争う“事件”が起きたのです。部屋の外まで響き渡る激しさでした」

 と協会幹部が明かす。

「ビッグマウスの本田ならともかく、普段は温厚な香川が感情を露わにしたことで、チーム全体に動揺が広がってしまいました」

 お約束通り、翌月の遠征で香川は代表落ちの憂き目に。だがこのとき盟友から絶妙な“パス”が回ってきた。

「既に代表落ちしていた本田が、田嶋会長の個人アドレス宛てに連名で“監督解任”を請うメールを送ろうと持ちかけてきたのです。他にも乾、FW岡崎慎司、DF吉田麻也が“連判状”に名を連ねました」(同)

 主に欧州リーグで活動し、代表でも主力を担ってきた5人が、監督任命権を持つ会長に直訴したのである。

 会見で田嶋会長は、

「選手たちの話だけで(解任を)決めたわけではない」

 と述べた。協会も、

「ハリルホジッチ監督の解任を求めるような内容のメールを選手らから受け取った事実は一切ありません」

 と否定するのだが、彼らが解任の原動力だったことは隠しようのない事実だ。

 W杯本番まであと2カ月余。誰もが危機を喧伝するが、連判で斬奸状を出すほどの反骨心と団結力があるチームだ。あながち状況は悪くないかもしれない。

週刊新潮 2018年4月19日号掲載

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