隠された「順天堂」新生児取り違え 父母は“生まれるはずのない血液型”めぐり離婚

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父が母の浮気を疑い…

「なんでもその男性は、生まれて半世紀近くも経ってから、おかあさんに“血がつながっていないかもしれない”と告げられたという話で、急いでDNA検査をしたところ、その通りの結果が出たんだそうです。ただ、以前から思い当たるフシはあったようです」(同)

 それは具体的には、どんなことだったのか。

「男性と母親は顔も似ていなければ、性格も違っていて、ご両親の離婚も男性の血液型のせいだと、だれかに告げられたこともあったんだそうです。男性のご両親は男性が小学生だか中学生のころに離婚しているのですが、原因は血液検査の結果、男性の血液型がご両親から生まれるはずのないものだとわかり、父親が母親の浮気を疑ったためだったという話でした。それ以後、母親の再婚相手や親戚から冷たくされるなど、男性はずいぶん苦労されたということでした」

 アンデルセン童話『みにくいアヒルの子』でも、ほかのひなたちと色も姿も明らかに異なるひな鳥は、成長するまでの間、周囲から蔑まれ、いじめられた。男性も長く同じような境遇に置かれていたということだろうか。

 だが、 黒いアヒルの子はやがて白鳥へと成長し、自身の出自を確認するとともに、自信を獲得できた。一方、この男性の場合は、

「生まれた直後に、順天堂医院で取り違えられたことは間違いありませんが、では本当の親はだれで、本当の家族はいまどこで暮らしていて、それがどういう家なのか、一切知ることができていません」

 そして、 そのことこそが、この関係者が重い口を開いた動機だという。

(下)へつづく

【動画】後の取材に口を開いた被害者

週刊新潮 2018年4月12日号掲載

特集「闇に葬られた『新生児取り違え事件』 『順天堂大学』はカネで被害者の口を封じた!」より

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