エリート官僚が「前川喜平」のストーカーと化した「忖度魂」

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 アイツは今、どこで何をしているのだろう。別れたオレの悪口を言ってはいないか……。女々しくもそう思う気持ちを抑えられない文科省クンは、思わぬ行動に出る。エリート官僚が、権力を笠に着て“ストーカー”と化した異例の事態。その背景には、森友問題にも繋がる「忖度魂」があった。

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〈前川氏の授業は、どのような生き方を学ぶことをねらいとして実施したのか〉

 このような文科省からの質問は15項目に及ぶ。受けた相手は名古屋市教育委員会だ。2月16日、市立八王子中学校は前川喜平・前文科事務次官を講師に招き授業を開いた。それから2週間後、文科省は彼を呼んだ経緯、発言内容について、

〈具体的かつ詳細にご教示ください〉

 と質し、はては録音データの提出まで求めたのだ。

 ご存じ前川氏といえばモリカケ疑惑で政権に反旗を翻し、“安倍批判”の急先鋒として講演行脚で全国を飛び回っている。そんな人物を教育現場に呼ぶのはけしからん。質問状からはそんな意図が透けて見える。

 当の市教委は、講演は前川氏が不登校時代の体験を語り、生徒からの評判も上々と回答したが文科省は納得しない。再度、同じ趣旨の質問状を送りつけたという。

 会見で説明に立った市教委の杉崎正美教育長は、

「このような問い合わせは今まで聞いたことがない」

 と困惑してみせたのだ。

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