エリート官僚が「前川喜平」のストーカーと化した「忖度魂」

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極めて異例

「文科省が、教育委員会から授業内容を詳細に聞き取るなんて極めて異例です」

 とは、文科省OBで京都造形芸術大学教授の寺脇研氏である。

「小中高の教育内容は、文科省が学習指導要領など法的な決まりを作り、各地の教育委員会に任せています。文科省が個々の授業について聞くことはあり得ません」

 いったい誰が質問しようと決めたのか。3月16日、野党合同ヒアリングでそのことを追及された文科省は、

「外部からの問い合わせはございましたが……あくまで省が独自に判断した」

 などと述べるにとどまった。ところが、だ。その2日後の毎日新聞は、自民党議員が、冒頭の質問状が作成される前に、文科省へ照会していたと報じたのだ。

 政治部デスクによれば、

「名前が上がっているのは、自民党文科部会長の赤池誠章参院議員と、部会長代理の池田佳隆衆院議員です。特に問題の授業が行われた名古屋選出の池田氏は、執拗に文科省を問い詰め、官僚を部屋に缶詰状態にしたそうです」

 当の2人の事務所に尋ねたが期日までに本人から回答はなかった。そんな族議員に屈した文科省はどう答えるか。高橋道和・初等中等教育局長を直撃すると、

「あくまでも文科省の判断で行ったことなので、問い合わせがいつ誰からあったかはお答えしていません」

 と、この期に及んでもセンセイたちを庇うばかり。

「忖度魂」たくましい官僚は財務省に止まらず。霞が関全体に巣くっているのだ。

週刊新潮 2018年3月29日号掲載

特集「地獄の門が開いた 『森友改ざん』の『アベゲート』」より

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