陛下はなぜ「与那国島」へ? 台湾巡る憶測呼ぶ

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 退位まで1年余り。象徴天皇として日本各地をご訪問できる機会も限られてきた。今回、天皇皇后両陛下が向かわれるのは“日本最西端”である。

 宮内庁担当記者の話。

「27日から3日間、沖縄県に滞在されます。中でも日本最西端の島、与那国島は初訪問。両陛下はかねてから離島に住む人々に思いを寄せてこられ、これまでも50以上の島を訪れています。その一環として、与那国島に行かれることになりました」

 島の約110キロ先には台湾を望む。これがある憶測を呼んでいるという。

「第2次大戦終結まで日本の統治下だった台湾とは、現在、国交がありません。無論、陛下が行くことも叶いませんが、連合国による空襲もあった台湾への思いをお持ちなのではないか、と見るムキがあるのです」(同)

 もちろん、かような発言をすれば、たちまち“政治問題”となる。その心中を窺い知ることはできないが、陛下と学習院でご学友だった明石元紹(もとつぐ)さん(84)はこんなエピソードを明かしてくれる。

「一昨年の3月末、初等科のクラス会を東京都千代田区にある霞会館で行いました。陛下も含め、24名が参加しました」

 3つに分かれたテーブルを陛下が順にまわる形式だったという。

「最初のテーブルで隣に座ったのが、台湾人の学習院の同級生だったのです。彼は戦中、陛下とともに奥日光で最後まで疎開をしていました。陛下は、彼に台湾のこと、また日本をどう思っているか、などをお尋ねになっていました」(同)

 とはいえ、

「ご関心があるかはわかりませんが、与那国島で台湾について発言はされないでしょうし、できないと思います」(同)

 島にある「日本最西端の碑」からは水平線上に台湾の姿を捉えることができる。73年前、終戦の日と同じ快晴であるならば――。

週刊新潮 2018年3月22日号掲載

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