ディーン・フジオカ「モンテ・クリスト伯」は怖いモノ見たさ度1位! 春ドラマ9作を解説

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「ブラックペアン」(TBS系・日曜9時~)

「日曜劇場」枠で池井戸潤原作シリーズを手がける福澤(克雄ディレクター[54])組が、今度は嵐のニノ(二宮和也[34])を使って手塚治虫(1928~1989)の『ブラックジャック』ですか?

 と思ったら、原作は池井戸でもなく手塚でもなく、海堂尊(56)が10年前に出した「ブラックペアン1988」。大学病院を舞台に天才外科医が、隠された過去や不正を暴いていくという医療ドラマで、脇には市川中車こと香川照之を髣髴させる市川猿之助(42)、「下町ロケット」(TBS系/15年)の小泉孝太郎(39)、「陸王」(同前/17年)の竹内涼真(24)が控えているんだそうですが、なんだろう、この「いつかどこかで」感。

「白い巨塔」+「下町ロケット」+「陸王」という足し算の答えを5で割るような出来に終わらなければ、つまり、ああいう強い物語、ああいう濃い芝居、ああいういいモノ感に溢れるドラマになるならば、また数字は稼げるのでしょう。

「崖っぷちホテル!」(日テレ系・日曜夜10時30分~)

 破産寸前のかつての高級ホテルに、やってきたラフな格好の若い男・岩田剛典(29)。ホテルの総支配人・戸田恵梨香(29)、副支配人・渡辺いっけい(55)など、やる気ゼロのスタッフたちが彼と出会ったことで変化が起こり……ってという設定だけ聞くと思い出すのは、やる気ゼロのレストランを松本幸四郎(現・白鸚[75])が立て直した「王様のレストラン」(フジ系/95年)。

 ……ですが、脚本の土田英生(50)は風変わりなドラマや芝居を書く人だし、日テレの宣伝もコメディーだと強調しているので、「王様」よりさらに、いい意味でフザけた作品になってくれたらなぁ。

 怖いモノ見たさ度も、フジの「モンクリ伯」ほどではないにせよ、かなり高くて、それは主演がEXILE界の“おぼっちゃまくん”こと岩田だから。“演技未満の何か”の拙さについては定評がありますのでねぇ。

 ただ、彼の父親は高級紳士靴メーカー「マドラス」の社長であるのにとどまらず、下呂温泉で代々続く老舗旅館の経営にも関わっているとか。岩田が宿泊ビジネスのプリンスだということを理解した上での起用だとすれば、ひょっとするとホテル立て直しの秘策に現実味が増したりしてね。

 ま、ひょっとしないとは思いますけど、彼の演技(未満の何か)に触れてしまったとき、彼の素性を思い出せば、腹は立つのではなく、よじれてくれるかも。

 ――と、テレビ誌では決してできない辛口指標。ご参考あれ。

週刊新潮WEB取材班

2018年3月21日掲載

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