「大杉漣さん」の急逝から学ぶ「突然死」を防ぐ手立て 予兆がなくてもCT検査

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異変から4時間で急逝の「大杉漣さん」(下)

 大杉漣さんが急逝したのは、2月21日午前3時53分。享年は66である。その死因は急性心不全とされるが、近畿大学医学部講師の榎木英介氏を始めとする医師らは、

「腹痛があったというので、急性心筋梗塞か大動脈解離の可能性が高い」

 と、考えられる疾病の名を挙げる。大杉さんの命を奪ったこの2つの病を防ぐためには、どのような対策を講じればいいのだろうか。

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 まずは冠動脈に血栓が詰まって起きる心筋梗塞について、なにがリスクになるのか見たい。

「心筋梗塞を引き起こす動脈硬化の主な要因は、高脂血症、高血圧、糖尿病、喫煙習慣。歯周病が影響するともいわれています」

 と言うのは、昭和大学横浜市北部病院循環器センターの南淵明宏教授。一昨年、虚血性心不全のため44歳で急死したタレントの前田健の死因も、その実、心筋梗塞だったと見られ、お笑いタレントのゆうたろうは、

「マエケンは思うがままに生きようと自分に課していて、芸人らしく好きな時間に好きなものを食べ、やりたいことをとことんやる生活を送っていたんです」

 と証言する。一方、大杉さんは10年ほど前まで毎日80本のタバコを吸っていたという。南淵教授によれば、

「喫煙すると血液中に一酸化窒素や一酸化炭素が生じ、血管を蝕みます。吸ったタバコの総量を表すブリンクマン指数が400超だと、動脈硬化のリスクが高まるといわれ、これは1日に吸う本数×喫煙年数で計算します。5年間で400を超える生活をしていたとすれば、一度細くなった血管はその後タバコをやめても元に戻らないでしょう」

 ストレスに触れるのは、日本大学病院循環器病センターの折目由紀彦医師である。

「常にストレスに曝されていると、交感神経が優位な状態が長く続いて身体のバランスが崩れ、慢性的な高血圧状態になって、血管への負荷がかかる」

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