私はこうして「億り人」になった――仮想通貨で大儲けした3人の証言

IT・科学週刊新潮 2018年3月8日号掲載

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「億(おく)り人」――。

 昨年は、仮想通貨が相次いで値上がりし、「仮想通貨元年」と言われた年。中でも億単位の儲けを出した強者はそう呼ばれているが、うち3人に話を聞いてみた。

「いま現在持っている仮想通貨は、含み益で4億円超」

 と言うのは、都内の20代、妻子持ちの男性である。

「その他に現金化したものも2億円あります」

 男性は高卒で会社員になったものの、キャバクラ通いで800万円の借金を作った。が、後に不動産投資が当たって一発逆転。退社し、不動産事業を始めたという。

「仮想通貨を始めたのは、昨年1月。友人が怪しい仮想通貨セミナーに誘われ、興味を持った。まず500万円でビットコインを、次に500万円で別のコインを買いました。100種類以上に手を出して一番当たったのはADKというコイン。短期間で80倍に上がり、これだけで億の利益です」

「秘訣は運」と謙遜する男性氏だが、むろんそれだけではない。本業は1日2〜3時間に留め、後は情報収集に費やした。日本語のサイトだけでは十分ではないため、英語が出来ない氏は、グーグル翻訳を駆使して勉強したとか。何とも幸せなことだが、ご本人、急に富豪となったため、金銭感覚が狂ってしまったという。

「昔はベンツが好きでしたが、いつでも買えるようになったので、興味がなくなってしまいました。こないだ久しぶりにキャバクラに行ったんです。最大限贅沢をしようと思って4000万円持っていったんですが、全員指名して、何でも飲んでいいよ、と言ったのに、結局、会計は70万円……」

 ため息の出る話だが、ここで簡単に仮想通貨について説明しておく。

 始まりは、2008年、ビットコインが開発されたことだった。「円」「ドル」のように、特定の発行者を持たず、ネット上だけに存在する“通貨”。当初はほとんど価値を持たなかったものの、徐々に決済可能な商品が増え、取引所が設立されて投機対象になるに連れて値上がり。昨年12月には1BTC(ビットコイン)=230万円を付けた。1年で20倍の高騰である。新たな仮想通貨も相次いで発行され、その数は今や1000種類を超えている。

 この“波”に乗って、

「毎月3000万円ほどの儲けになっています」

 とは、30代、こちらも家庭を持つ都内の男性である。

「もともと証券会社に勤めていました。独立後は投資一本でしたが、3年前に仮想通貨を知ってチャレンジ。当時、その世界には素人しかいませんでした。一方、自分は為替もやっていたので、レバレッジ(取引所に証拠金を預け、その数倍の金額で取引する方法)の知識があった。だから勝てたのだと思います」

 こちらも朝から夜中の2時までトレード三昧の日々。深い金融知識が前提にある。

「コインチェック騒動の後、ビットコインの値が67万円まで下がった。そこで120BTC買い、値が90万円まで戻った時に売って2日で数千万円儲けましたね」

 最後に紹介するのは、都内に住む30代の男性。

「コンサル会社に勤めています。投資家のブログに影響を受け、30万円をつぎ込みました。レバレッジをかけていたら半年で含み益が1億円に達しました」

 が、サラリーマンなので、前の2名のように研究に没頭するワケにもいかない。

「通勤電車と、子どもをあやしている間がトレードの時間。おかげで子育てが疎かになって……。小遣い程度で始めたのがこんなになってしまったので、妻にも話していませんよ。生活も変化なし。これまで680円だった昼の弁当を900円にしたくらいですかね」

 意外と質素な億万長者であるが、もちろん仮想通貨にもバブルな世界はある。

 例えば、ある「億り人」の元には、最近、パーティーの案内が届いた。男性の参加者は10BTC(=1000万円程度)保有者限定。ここに主催者は「モデル」「女優」「夜の蝶」を集めて、「ゴージャス」で「ラグジュアリー」な時間をお届けすると謳っている。

「その手のパーティーはたくさんありますよ」

 とは、1人目の「億り人」。

「一度参加したことがある。レンタルルームにシャンパンが並べられていて、モデルのような女性とワイワイと楽しく時を過ごしました」

 さしずめ酒池肉林パーティーといったところか。

特集「リスク100% 『仮想通貨』への招待状」