イチロー、44歳で足が速くなった? 現役にこだわるワケ

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全盛期と変わらず

「記録の人」イチローらしいと言えばらしいけれど、

「口では50までと言っても、彼のプロ意識を考えれば、本当に無理だと思ったら引退するはず」

 と、在米スポーツライターの丹羽政善氏は言う。

「それをしないのは、彼自身、まだまだ“できる”という自信があるからです。例えば足などは、6年前のヤンキース時代と比べて速くなっているくらいですから……」

 当時のバッターボックスから一塁までの到達時間は、4・1秒。しかし、昨シーズンは、これが3・8〜3・9秒まで改善していた、というから、驚きの44歳である。

「0・2〜0・3秒速くなったというのは2メートルほど先に着くということです。際どいアウトはほとんどがセーフになるくらい、大きな差になります。彼は全盛期でも3・7秒でしたから、今でもそれと変わらないスピードで走れる。長年取り組んでいる初動負荷トレーニングの成果でしょう」(同)

 と言うのである。

「確かに、イチローは周囲に“まだやれる”と言っていました」

 とは、彼とごくごく近しい知人。

「もしオファーがなければ、アメリカで少し待ってでも、とも。それくらいの拘りはあるようです」

「40代で走力のタイムを縮めるのは至難の業」(元陸上100メートルの日本記録保持者・不破弘樹氏)

 この現役への固執が吉か凶かはともかくとして、今季、大谷翔平から俊足を飛ばして内野安打……なんて光景は、見てみたい気もするのである。

週刊新潮 2018年2月22日号掲載

ワイド特集「雪の華」より

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