憲法改正は現実味を帯びても… 誰も知らない「自衛隊」南スーダンPKOの最前線

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女性隊員も

 16年5月から順次派遣された第10次要員は、北海道の陸上自衛隊第7師団を中心に約350名で編成された。

 PKOと一言でいっても、その活動内容はさまざまだ。国連南スーダン共和国ミッション(UNMISS)には治安維持を主とする歩兵部隊のほか、航空部隊、医療部隊、憲兵隊等がある。歩兵部隊を派遣しているのはエチオピア、ガーナ、ネパール、モンゴルなど。

 日本隊は道路補修などインフラ整備を主とする施設隊を12年から派遣しており、UNMISSからのタスク・オーダーを受ける。派遣施設隊の内訳は隊本部、本部付隊、施設器材小隊、施設小隊、警備小隊など。3個の施設小隊がマンパワー中心で、施設器材小隊は大型重機を扱う。彼らは約半年おきに交代する。

「第10次要員には、重機の取扱いができる女性を2名連れていきました。これまでも後方業務に携わる女性隊員はいましたが、現場に出る小隊に女性を入れたのは初めてです」(同)

 アフリカでは女性蔑視の風習が根強く残っている。南スーダンも例外ではなく、UNMISSではジェンダー問題にも力を入れていた。宿営地内では男性隊員との接触に十分気を配り、女性医官を連れていって健康面でも女性が相談しやすい環境づくりを考慮した。

「だけど実際は女性のほうが強い。(ジュバ・クライシスのように)治安が悪くなったときもケロッとしていた。個人差はありますが、全体的にしっかりしていたという印象です」(同)

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