「大塚家具」72億円の巨額赤字でも、「久美子社長」は本日も反省の色無し

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7億円を大盤振る舞い

 なんだか泥舟から逃げるような光景が目に浮かぶが、それでも株主には1株当たり40円の配当を約束している。景気のいい話だ。

「あり得ませんよ。未曾有の72億円という赤字の経済状況に、100人中100人の経営者が『今は配当をすべきではない』と考えるはずです。配当など持続可能の範囲内で行うものじゃないですか。現預金が18億円しかないのに、配当に7億円以上を使う正当性はどう説明するのでしょう。久美子社長は就任時に『3年間は80円の配当を続ける』と言っていましたから、それもできなくなっての意地なのかもしれません。ただし、意地で経営はできませんよ」

 不思議なことに、V字回復するはずの来期の配当は10円という。

「来期が10円なら、今年はゼロでいいでしょう。久美子社長は『自分の手で黒字化する。最後までやり遂げるのが重要』と言ったそうですが、これはここまで悪化した経営の責任を取らないという宣言なのでしょうか。2年前には家具の“リユース”を打ち出しました。中古品を安く売るということなのですが、郊外にアウトレット店を造るわけでもなく、新品を販売する既存店に置いたために、これまでの店が中古販売店のイメージになってしまった。集めた中古家具も酷いものばかりで、メンテナンス係がブーブー言っていたそうです。それが今どうなっているかも、今回の決算発表では説明がなかったそうですね。そもそも高級家具をウリに、お得意様を会員制にして生き残ってきたのが先代の大塚家具です。低価格のニトリやIKEAに対抗して、小売りの家具店が生き残るには、それしかなかったと思います。久美子社長は、それを中価格帯にして会員制もなくすとしたわけですが、中価格帯にしたら、それまでの富裕層は来ませんよ。ましてや有明店など、気軽に家具を見に行くような場所でもありませんから、中間層だって来ない。そう考えると、2期連続の赤字は明らかに久美子社長の経営方針が間違いだったからとしか思えません」

 久美子社長は、来期の業績が不振だった場合を聞かれ、「if(仮定)の話には答えられない」と回答したという。

 来期の決算だって、if以外の何物でもないが――。

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週刊新潮WEB取材班

2018年2月20日掲載

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