平昌五輪で“独島”アピールの懸念… 「統一旗」に気をつけろ!

国際 韓国・北朝鮮

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 これで支持率80%も見えてきた――。

 年初から韓国の文在寅(ムンジェイン)政権は大はしゃぎ。元日に北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)委員長が、新年の辞で平昌(ピョンチャン)五輪への代表団派遣に言及。以降、1月9日の南北長官級協議へとんとん拍子。短期的には、文外交が成功したかのようでご満悦なのだ。

「2月9日の開会式まで時間も少ないため、北の対応も非常に早い。でも、単に五輪へ参加するだけなら北がIOCへ勝手に参加申請をすれば済む話。本来の狙いは、やはり韓国から各種の譲歩を勝ち取ることなのです」(在ソウル記者)

 そこで注目されるのが、「韓国政府が南北対話で絶対に譲ってはならないこと」と題した韓国紙・朝鮮日報の3日付の社説である。

〈韓国政府は南北単一チームの構成や開会式での共同入場行進などを提案するとの見方もある〉

 なるほど南北融和を内外へアピールしたい文政権の狙いはその辺りか。一方、朝鮮日報の懸念は次の通り。

〈韓国で開催されるオリンピックで太極旗(韓国の国旗)がみられないという異例の事態が発生する〉

 北朝鮮の選手が太極旗(テグキ)に従い行進などありえない。だから同様のケースでは「統一旗(トンイルキ)」が使われてきた。が、今回は主催国としてそれも絶対避けよ、と大手保守系紙らしく説いているのだ。

 統一旗とは、白地に青く朝鮮半島の形を描いたもの。シドニー五輪など、国際大会への共同参加時に何度となく登場している。

 とはいえ、我々にとってはどうでもいいこと……と思えばさにあらず。

「統一旗における竹島の存在に注意すべきです」

 と、韓国事情に詳しい評論家の室谷克実氏は言う。

 標準的な統一旗では、半島以外に描かれるのは周辺最大の島嶼である済州島だけ。だが、応援団レベルでは彼らが独島(ドクト)と呼ぶ竹島を描き入れ、勝手に領土を主張するものも存在する。

「反日では一致する南北。このどさくさに竹島入り統一旗の公式化などということがないように、あえて注意喚起したいですね」(同)

週刊新潮 2018年1月18日号掲載

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