「宗教法人」課税で4兆円? 消費増税はまるごと不要に “学会さまさま”の非課税事情

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不透明な寄附

 何しろ本業たる宗教活動においては、所得税や固定資産税など軒並み非課税。課税対象となる34の収益事業(旅館業や飲食店業、物品販売業など)についても、通常の法人税率が23・4%のところ19%という軽減税率が適用されるのだから、至れり尽くせりだ。

 そもそも宗教法人の役割とは、活動を通じて国の安寧を守ることにある。国に代わって民間が運営するという発想が前提で、純粋な活動だけでは賄えない部分を補うため、公益法人としての収益事業が認められているわけだ。

 これは「営利はあくまで二の次」という“宗教家性善説”に立脚した制度といえる。が、現状は決してその限りではない。資産が膨れ上がるばかりの巨大宗教団体を見るにつけ、なぜ増税に喘ぎ苦しむ民に心を痛め、進んで“私財”を擲(なげう)たないのか、との疑念を禁じ得ない。

 白鴎大学法学部教授兼大学院法学研究科長の石村耕治氏は、

「宗教法人のみならず、現在の税制は企業を含めた法人税全体をどんどん下げ、反対に個人からの徴税を強めています。国民の働くモチベーションは下がる一方で、まずはこうした課税のアンバランスを改めるのが第一だと思います」

 そう指摘しながら、

「私の知る限り、9割の宗教団体は経済的に厳しい状況に置かれている。その一方、一部の大きな宗教法人が優遇措置を利用して勢いを拡大しています。それはトップの『経営手腕』によるところも大きいのでしょうが、問題は彼らがどれほど寄付を集めているのか、全く不透明なままなことです」

 これが例えば米国では、

「一定額以上の寄付者には宗教法人から金額を明記した証明書が発行され、寄付者は所得税の控除を申告できます。また、これによって課税庁は教団がどれだけ寄付を集めたかを把握できるのです。お布施の金額を明らかにする仕組みは、日本でも考える必要があるのではと思います」(同)

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