高梨沙羅、愛車は2000万円ベンツ 祖父は「まだ早い」
いつかはクラウン――そう思って汗水流した世のお父さんたちにすれば、隔世の感があるだろう。弱冠21歳で、いきなり“K点越え”の車を手に入れた高梨沙羅のことである。スキー女子ジャンプ代表として冬季平昌五輪を控える中、彼女は愛車が約2000万円のベンツだと明かすのだ。
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「メルセデス・ベンツ・マガジン」は、販売会社が顧客を対象に配布する季刊誌である。最新の2017年冬号を開けば、品のいい私服に身を包んだ高梨が、愛車の「メルセデスAMG G 63」の傍らで微笑む姿が紹介されている。
記事によれば、お値段は最低クラスでも1971万円! 軍用車から派生したSUV(スポーツ用多目的車)で、練習へ向かう際も自らハンドルを握っていると綴られる。ツインターボから発せられるエンジン音に惚れ込んだという彼女は、
〈ソチでの悔しさを晴らすには、平昌でメダルを取るしかない(中略)そのためには自分の好きなものに囲まれて生活するのも1つの方法かと〉
なんて愛車の“効用”についても語っているのだ。
メダルを目指しアクセル全開、愛車の存在は欠かせないと胸を張るが、今シーズンの彼女はその実力をなかなか発揮できずにいた。
「W杯序盤を終えた高梨の成績を振り返ると、個人戦4試合で優勝ゼロなんです」
と解説するのは、さる全国紙の運動部記者である。
「3位が2度のみで、歴代単独最多の通算54勝達成は、新年までお預けとなりました。実力を上げた欧州勢が1位2位を独占し、完全に後塵を拝しています」
「まだ早い」
そんな高梨は、W杯から帰国直後の12月21日、高級時計メーカー・オメガ主催のイベントに出席した。69万円もする五輪限定モデルの腕時計を贈られ破顔一笑だったが、先の記者はこんな懸念も口にする。
「あの“レジェンド”ことメダリストの葛西紀明選手は、シーズンが始まると基本的に競技と関係のない出演依頼は、『五輪が終わってから』と断っていますよ。一方の高梨は、大手広告代理店がイベントやCMなどを差配して、ソチ以降は出演数が増えている。派手な世界との付き合いが増え、競技に集中できる環境が整っていないのが不幸です」
実際、彼女の故郷・北海道に住む祖父に聞いても、
「ベンツに乗っているなら“成功の証”のひとつかもと思う反面、まだ若いんだし、学生だし、そんな立派な車には乗らない方がいいんじゃないかという気持ちもありますよ。あの子は発展途上ですから、まだ早いのではないかと。孫がベンツの横に立っている写真は見たことあるけど、人様の持ち物だと思ってたので」
なんて複雑な胸中を口にするのだが、一方でこんなエールを送るのだ。
「あの子は昔から己を律することのできる人間。練習する時はきちんとやるし、オフは息抜きに充(あ)てている。五輪では一番よい色のメダルを獲って欲しいです」
日々、安全運転を心がけているという高梨。ゴールド免許を目指すのも結構だが、メダルにブレーキだけはご免蒙りたいものである。