“盤”に埋まっていた40億円 国民栄誉賞「羽生」「井山」の凄さ

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独創的で美しい

 一方、井山七冠はどうか。

 囲碁ジャーナリストの話。

「日本棋院が発表する賞金ランキングで、井山さんは11年から昨年まで連続1位。13年からは毎年1億5000万円前後を稼いでいて、しかも、2位と3倍以上の差をつけていることが少なくありません。例えば、昨年は高尾紳路九段が2位だったのですが、賞金総額は約5800万円です。ランキング1位の6年間で、井山さんが稼いだ賞金は約8億1000万円。02年のデビュー時点から概算すると、10億円を超えています」

 強さの秘密は、何か。

「日本の碁の世界では、井山くんはケタ違いです」

 とは、“宇宙流”の棋風で知られる武宮正樹九段。

「特徴的なのは、人まねではない独創的で美しい碁を打つこと。だから、井山くんに負けても清々しいというか、負けを納得させられてしまいます。羽生さんは永世七冠を成し遂げましたが、それでも同時期に七冠を独占したのは96年の1度きり。井山くんはあの若さで2度も達成しているのですから、これからどんな記録が生まれるか見ものです」

 国民栄誉賞には記念品か金一封がつく。だが、締めて40億円も稼げば、2人がそれを当てにするわけもないか。

週刊新潮 2017年12月28日号掲載

ワイド特集「冬の花火」

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