「広瀬すず」「竹内涼真」ひっぱり凧の陰で… 芸能界“10代不足問題”

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痛々しい

 一方、男優では、広瀬のような一人勝ちがいるわけではない。

 そもそも、10代の役を演じられる、10代の役者がいないのである。

 そのため、例えば、「帝一の國」という映画で、高校生に扮したのは菅田将暉と竹内涼真らだった。さらに、「オー!ファーザー」では、岡田将生(まさき)が高校2年生の役で登場し、学ラン姿を披露。福士蒼汰も、「ストロボ・エッジ」で、有村架純(24)と高校生カップルを演じている。

「なかでも、最年長だと思われるのは、小栗旬です」

 とは、芸能ジャーナリストである。

「当時31歳でしたが、月9の『信長協奏曲』で戦国時代にタイムスリップした高校1年生の役を務めていました。ただ、いくらなんでも痛々しいものがあった。他に、『僕たちがやりました』で、28歳だった窪田正孝が高校2年生の役。さすがに制作発表の記者会見で、“気づいたら29になるみたいな感じだし……。高校生役なんてできるかなと思って。ヒロイン(永野芽郁)とは11歳差だし、あと一つでひと回り。結構、シンドイですよ”とボヤいていました」 

 なぜ、芸能界に“重大”問題が起こったのか。

 上智大学の碓井広義教授(メディア文化論)は、

「広瀬さんは、『ゼクシィ』などのCMで注目を集めてから一気に主役級の女優へと駆け上がりました。これほど早いスピードでブレイクした女優はなかなかいません」

 と指摘する。

「だから、広瀬さんより年下の女優が育ってきていないという印象を受ける。テレビや映画の制作者側はキャスティングで冒険しようとせず、いわば安易に広瀬さんを選び、一極集中が進むことになったわけです」

 しかし、男優の方が問題はより深刻だという。

「制作者側が大コケしないようにと、知名度のある男優を選ぶようになっています。その結果、どの作品も同じような人が出ているということになって、新しい人にはスポットライトが当たるチャンスが巡ってこない。すでに売れた役者ばかりに頼り切っていては、自分で自分の首を絞めることになるのに、制作者側がそれに気づいていないのです」(同)

 そのうち、高校生を演じるのが、白髪やシワの目立つようになった役者ということになるかもしれない。

週刊新潮 2017年12月28日号掲載

ワイド特集「冬の花火」

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