安倍総理が“亡き父”秘話を披露した日比谷松本楼の夜

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「歌手1年、総理2年の使い捨て」という言葉を残し、1989年に退陣した竹下登元総理と、91年、宰相の座を目の前にして鬼籍に入った安倍晋太郎元外相。

 明暗分けた2人の後継者が集ったのは、11月29日、東京のフランス料理店「日比谷松本楼」だった。

 政治部デスクの解説。

「先の衆院選の慰労会を、と二階幹事長が呼びかけたのです。集まったのは安倍総理を含む自民党役員会のメンバー。完全オフレコというお達しが出ており、出席者の口は一様に堅かったですね」

 漏れ伝わるところによれば、安倍総理が昔話に花を咲かせたという。

「祖父の岸信介さんの話や、竹下亘総務会長も出席していたので、父・晋太郎さんと竹下登さんの逸話を披露していました」(出席者)

 安倍晋太郎と竹下登は当選同期で「安竹同盟」と言われるほど、親しい関係にあった。竹下総理の後、晋太郎が総裁選に出馬すれば、竹下派は支援する予定だったという。だが、病魔に勝つことは叶わなかった。

「晋太郎さんが膵臓がんを患って、順天堂医院に入院していた時、清和会幹部の他、実は竹下さんも晋太郎さんを見舞っていたのです。危篤状態の中、耳元で“フレーフレー晋太郎”と声をかけると、ハッと意識を取り戻し、竹下さんが去った後、静かに亡くなった。そう安倍総理は語っていました」(同)

 亘氏はその話にじっと耳を傾けていた。

「実はこの会合の前夜、亘さんと記者の懇談が都内であったのですが」

 と、先のデスク。

「安倍総理3選を亘さんが所属する額賀派が支持するかについて、“白紙。来年はどうなっているか分からないからね”と話していました。二階幹事長が“安倍総理の後は安倍総理”と推す中、第3派閥の額賀派もそれに倣えば、3選は決定的になってしまう。安売りはしないという思いですよ」

 6年目を迎える安倍政権。軽々に“フレーフレー晋三”とは言えないのだ。

週刊新潮 2017年12月14日号掲載

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