安室奈美恵の特番が大コケ NHKでもしらけムード

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コアなファン

 なぜなのか。

 メディア文化論が専門で、上智大学の碓井広義教授が解説する。

「確かに、安室さんはヒップホップの女王かもしれません。しかしながら、音楽の趣味嗜好がこれだけ多様化した時代では、かつての美空ひばりや山口百恵のような歌謡界全体の女王とまで言えるかどうかは疑問です。ましてや、NHKの大票田は中高年層です。満を持して、安室さんの番組を放送したのでしょうが、期待通りの数字が取れなかったのはNHKの勇み足というほかありません」

 そもそも、安室のファン層の中心は、アラサー、アラフォーの女性だという。

「安室さんの絶頂期は、1995年から2000年にかけてです。つまりは、“アムラー”という彼女のファッションを真似する女性が相次いだ時期。そのころのファンが、いまも変わらずに安室さんを応援していて、そこが9・1%の数字になっているのではないでしょうか。CDが爆発的に売れていると言っても、コアなファンに支えられているに過ぎないのです」(同)

 挙げ句、想定外の低視聴率しか取れなかったことに、NHK内部でもしらけムードが漂っているという。

「局内では、最悪でも15%は見込んでいました」

 とは、NHKの関係者。

「トークが苦手な安室さんが独占インタビューに応じ、引退発表までに至る胸中を赤裸々に告白したわけですから。でも、蓋を開けてみたら惨憺たる有り様だった。安室さんは現段階でも、紅白の特別枠出場については出るとも出ないとも明言していません。NHKとしては、特番をサプライズ獲得の“呼び水”にするつもりでした。でも、この数字では、“せっかく出てもらっても、目玉にならないのではないか”と囁かれ出す始末です」

 絶頂で散る花とは、なれないようである。

週刊新潮 2017年12月14日号掲載

ワイド特集「ガチンコ六番勝負」

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