稲葉「侍」監督の“地味”な采配 東京五輪に暗雲も…

スポーツ 野球

  • ブックマーク

Advertisement

 稲葉篤紀“侍ジャパン”新監督の初陣「アジア プロ野球チャンピオンシップ」が開催された。“アジア”と銘打っても日本、韓国、台湾、と代わり映えしない地味〜な面子だが……。

 大手紙デスクが語る。

「“侍”の試合は、日本野球機構(NPB)の重要な収益源。今大会は3カ国のプロ団体主催となっていますけど、事実上はNPBが招集をかけています」

 おなじみの“JAPAN”のユニホームを身にまとう選手は上林、今永、京田……とこちらもなじみが薄い地味〜な面々。それもそのはず。出場資格はU-24、つまり1993年1月1日以降生まれか、もしくは入団3年以内の若手に限られていたのだ(但しオーバーエイジが3枠ある)。

「今年の春にWBCをやったばかりですから、今回はフルメンバーを休ませたのです。監督経験が皆無の稲葉さんにとっては、選手たちに気兼ねすることなく采配を振ることができて、むしろ良かったと思います」

 稲葉監督の任期は2020年8月つまり東京五輪まで。今大会は五輪を見据えて“タイブレーク”が導入された。延長戦を無死一・二塁から始める制度である。

「たまたま、初戦の韓国戦が延長になり、タイブレークの経験ができたのもラッキーでした」

 稲葉ジャパンはこのタイブレークで逆転勝利。続く台湾戦も8―2で快勝。決勝は再び韓国戦で、これも7―0と圧勝した。

 上々の船出に見えるが、前途には暗雲も。本番の五輪をフルメンバーで戦えるか、不透明だというのだ。

「WBCは儲かりますが、五輪はNPBにとってカネにならないんです。それに、“日の丸”が格段に重くなるので、選手たちのプレッシャーが尋常ではない。過去の五輪で、エラーした外野手や打ち込まれた投手が国賊扱いされたでしょう。実は、出場に二の足を踏む選手が少なくないのです」

 なにげに監督も地味〜な……おっと、失敬失敬。

週刊新潮 2017年11月30日号掲載

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。