今度はパワハラ暴行事件… 不祥事続く東武鉄道

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2つの問題で監督責任

 実は、仙台国際ホテルの暴行事件と顧客情報流出には共通点があるという。東武鉄道OBがいうには、

「仙台国際ホテルの社長兼総支配人は、野口育男さん。早稲田大学法学部卒の野口さんは東武鉄道に入社してから一貫してホテル畑を歩んでいました。30歳で東武ホテルに出向し、44歳で取締役を務めるスピード出世です。経営難に陥っていた仙台国際ホテルの再建を託されて、7年前からトップを務めています」

 野口氏が陣頭指揮を取り始めてから、仙台国際ホテルは経営危機を脱した。そこで“再建請負人”として、講演依頼が絶えないという。暴行を働いた料理長を“スカウト”したといわれているのが、野口氏である。で、彼は個人情報の流出問題とはどう関係しているのか。東武ホテルに勤務するホテルマンがこう囁く。

「東武ホテルマネジメントには、代表取締役が2人います。1人は銀行からの“天下り”で、もう1人が野口さん。顧客情報の流出で、会社はホームページ上で“業務委託先から何らかの形で漏洩した可能性がある”としています。ですが、委託先のブライダルプランナーが別の委託先企業にメールで送ろうとして、誤送信で流出したことは間違いないでしょう。実は、ホテルにこの2社を紹介したのが、野口さんなのです」

 つまり、暴行事件も、個人情報流出にも、野口氏に監督責任があるわけだが、

「2つの件については、何の処分も発表されていません。野口さんは根津社長の子飼いで、社内で“社長と特別な関係にある”と吹聴していますが……」(同)

 東武鉄道に野口氏の処分を聞くと、

「弁護士による原因特定のための調査を実施中であり、その状況に応じて適切に対処してまいります」(広報部)

 仮に、“特別な関係”だとしても、根津社長は厳粛な処分を下すべきではないか。

週刊新潮 2017年11月16日号掲載

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