キンコン西野、図書館に自著を寄贈に「ズレてない?」の声 

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「地元の本屋で買って!」

 たしかに、所有して味わいたい絵本と一度読めばよしとする読者が多い文芸書は、同列には語れない。

 また、西野はブログに図書館のことを〈書籍の販売促進装置だ〉と書くが、日本書店商業組合連合会の柴崎繁副会長は、

「図書館に本を贈るのでなく、地元の本屋さんで買ってください、というのが本当の営業活動。図書館も自治体からの資料費が減って大変で、書店は定価で納品しようとしているのに、タダで寄贈されてしまったら、あがったりです」

 そう西野に苦言を呈し、図書館にもこう促す。

「同じ本は1冊置けばいい。行政サービスは、最低限でよいのです」

 上智大学の碓井広義教授(メディア文化論)が言う。

「図書館には本と市民を繋げる大きな意義がある。文春や新潮の社長はそれを理解したうえで、 出版不況の今、本をしっかり手に取ってもらいたい、と訴えたのだと思う。一方、西野さんは、個人のビジネスのプロモーションだというのが透けて見えてしまう。本と本の未来についてなされる議論のきっかけが西野さんのビジネスと一緒にされ、本質から逸れて終わってしまうのが残念です」

 西野から締切りまでに回答をもらえなかったのも、残念です。

週刊新潮 2017年11月2日号掲載

ワイド特集「ちはやぶる 神代もきかず」より

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