女優「のん」も一役買って「ブランド米」戦国模様

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 あの金髪の可愛い子は、誰?と話題になっているのがブランド米「金色(こんじき)の風」のCM。黄金色に輝く稲穂の中で髪まで金色に染まっているのは能年玲奈こと“のん”(24)だ。

 大ヒットした朝ドラ『あまちゃん』の舞台となった岩手県産の最高級品種米で、昨年の「銀河のしずく」に続いて、2年連続の新種発売は珍しいという。

「岩手に限らず、各地でブランド米の新種が登場し、群雄割拠の様相です。一昨年は青森の『青天の霹靂』も最高評価の“特A”を取得してデビュー。この9月からはコシヒカリ発祥の地・福井が『いちほまれ』を首都圏と地元で発売、10月からはコシヒカリで名高い新潟が『新之助』を発売し、いずれもコシヒカリを超える米が謳い文句。来年はササニシキの宮城から『だて正夢』のデビューも発表されています」(社会部記者)

 ブランド米の乱立は、異常気象に耐えうる品種改良もあるが、半世紀近く続いてきた減反政策が今年度で終わるからなんだとか。

「マヤカシですけどね。減反政策が終わることで農家への補助金(10アール当たり7500円)も終了といわれていますが、水田の有効活用対策として支払われる転作補助金は10アール当たり最大10万5000円と大幅に上がっているのです。これは主食用米から、家畜のエサとなる飼料用、米粉用の米作りに転換した場合に支払われるものですから、当然、飼料用の米作りに走る農家は増える。減反制度はなくなっても、米の生産を減らすという国の方針に変わりはありません。そのため主食用の米農家が、補助金なしで生き残るにはブランド化するしかないのです」

 とは東京新聞論説委員の長谷川幸洋氏だ。

 おかげでデビューするブランド米は、5キロで2000円台後半~3000円台と一様に高価だ。一方で、弁当や外食産業に使われる、価格の安い業務用米は足ら なくなって、こちらの値段まで上がっているというから、消費者には堪らない。

 圧勝して強気になった安倍首相、“貧乏人は飼料米を食え”なんて言い出さなきゃいいけれど。

週刊新潮 2017年11月2日号掲載

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