「希望の党」公認から意地の辞退 「原口一博」にも五分の魂

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 いくら失速ぎみとはいえ、今選挙最大の“台風の目”であることには違いない「希望の党」。そこからの公認内定を敢えて辞退し、比例復活という“勝ち馬”から下馬した無所属候補たち、それぞれの事情――。

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 野党担当記者の話。

「まず注目を集めたのは、長野1区から出馬する篠原孝候補です。というのも、4日に無所属での出馬を表明した後、その理由についてメディアに“(政策協定書にサインさせることは)小池さんの前で土下座し、クツを舐めさせるような行為だ”と発言。この身も蓋もない表現で、希望の党のやり方に不満を持ちつつ、仕方なく公認を受けた民進党連中の溜飲を下げたのです」

 それに先んじる形で3日、公認辞退を発表していた人物がいた。高知2区から出馬する広田一候補である。

 ご本人曰く、

「他のみなさん同様、(民進)党が決めた方針なので仕方ないと最初は思っていましたが、政策もなにもない政党に合流するということに、やはり納得がいきませんでした。もちろん苦しいですが、敢えて退路を断って選挙戦に臨みます」

 さらに、7日になって公認を辞退したのは佐賀1区から出馬の原口一博氏。

 下馬の理由を問えば、

「そもそも希望の党と我々が合流する一番の理由は、究極の国民無視を続ける安倍政権を倒す、この一点だったわけです」

 そこでやむなく“韓信の股くぐり”を行ったものの、

「問題はその後です。小池さんが選挙後に自民党と組むことを否定しなかったり、他の(希望の党)候補者が“首相は安倍さんがいい”と発言したりと、今回の合流の一番大切な根底が覆ってしまった。それがどうしても容認できませんでした」

“五分の魂”が意地を通したわけだが、約束を破った小池氏に対しての思いはというと、

「この件に関して、小池さん本人が悪いとは全く思いません。単にコミュニケーションの問題です」

 とした上で、

「前原さんは純粋な人だから、小池さんとの協議でも、大筋だけ決め、あとは旧知の仲である彼女を信じ、細かい話の詰めはしなかったんじゃないかなと思います。でも、彼女は権謀術数に長けたプーチンみたいな政治家。最初の協議のときに、2人きりではなく、枝野さんでも連れて緻密に交渉すれば、話は違ったのでは」

 と、悔しさを滲ませる。

 もっとも、

「この3人の選挙区では、彼らが辞退した途端、共産党が候補者を降ろし、支援を表明。無所属候補になって、むしろ小選挙区で勝てる可能性が高まったのではないでしょうか」(先の野党担当記者)

 ともあれ、“一寸の虫”たちの戦いが始まった。

週刊新潮 2017年10月19日号掲載

特集「傾国の『小池百合子』」より

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