見透かされた「小池百合子」の打算、最後の手札は“改憲協力”

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キーワードは「3分の2」

 こうして政局の主役の座から降ろされつつある小池氏だが、「権力と添い寝する女」との異名を誇る彼女が、「一野党党首」としておとなしくしているとは思い難い。現下、可能性の低くなった石破首班指名や大連立以外に、何か「セカンドシナリオ」を描いているに違いないのである。それを読み解くヒントについて、希望の党関係者が耳打ちする。

「公約を詰める際、民進党側の担当者だった玄葉さん(光一郎・元外相)は、民進党系候補者が受け入れやすいように、『憲法9条改正』と『集団的自衛権』を認めるような言葉を入れないように懇願した。それを聞いた小池さんは、集団的自衛権については譲ったものの、憲法9条は『絶対に盛り込む』と強硬だった」

 事実、希望の党の公約は小池氏の意思通りになったのだが、そのココロは、

「思うように議席が獲れなかった場合の小池さんのシナリオのキーワードは『3分の2』です。憲法改正が悲願の安倍さんに、改憲の時だけでいいからぜひ協力してほしいと頭を下げさせる。そうして、永田町で自分を干してきた安倍さんにリベンジを果たすと同時に、希望の党が改憲勢力の『3分の2』に協力する条件として、五輪問題で事あるごとに対立してきた森さん(喜朗・東京五輪組織委員会会長)の肩を持たないことを飲ませる。これで、『都知事としての小池百合子』の権限を大きくする腹積もりなんです」(別の関係者)

 転んでもタダで起きるつもりはないというわけだ。エコで売る小池氏だが、自身の小賢(こざか)しさの発露だけはどうにも「節約」できないようである。

週刊新潮 2017年10月19日号掲載

特集「傾国の『小池百合子』」より

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