「北野監督」と「たけし」が出ずっぱりテレビ東京の真骨頂

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 テレビ業界はすでに、衆議院議員総選挙の開票特番の情報集めに勤(いそ)しんでいる。中でも気合いの入っているのはテレビ東京である。

「9月28日に行われたテレ東の定例会見で、小孫茂・新社長は今回も池上彰さんを使って選挙特番を放送することを明言。それに対し、議員の一口メモが他局にマネされていることについて聞かれると、『ウケたものがマネされるのはテレビ東京の宿命』と余裕を見せましたからね」(社会部記者)

 一口メモに限らず、バス旅やカラオケ対決など、確かにテレ東でヒットした企画はよくパクられる。

「東京キー局も予算が減っている中、テレ東の企画はやりやすいんですよ」(同)

 そのテレ東、他局ではマネ出来ない企画を打ち出した。10月2日〜6日まで、朝の生放送にビートたけし(70)を持ってきたのだ。タイトルは「おはよう、たけしですみません。」――。

「もちろん7日に公開される北野武監督『アウトレイジ 最終章』の宣伝も兼ねるのでしょう。たけしさんは各局に宣伝のため出演していますが、この企画は、朝のワイドショーが固定化された他局には、絶対に出来ません」

 とは上智大学の碓井広義教授(メディア文化論)だ。

 テレ東は「アウトレイジ」シリーズ全3作に出資しているが、9月27日の昼には、シリーズ第1作と公開直前SPを放送。30日には「出没!アド街ック天国」の足立区の回に監督自らゲストで出没。10月1日は「たけしのよくできてるTV」に映画出演者と共演した後、シリーズ第2作を流す……。

「『よくできてるTV』も完全にPR特番でしたからね。かつてフジが映画出演者ばかりを使って批判されましたが、監督自ら出て、それがたけしさんなのですから強い。出演料も格安の筈ですし、テレ東としても出資を回収しつつ、社内の士気も上げられる。うまくいけば朝のシニア向け番組制作のデータにもなる。まさに、攻めのテレ東です」(同)

 池上ならぬテレ東無双。

週刊新潮 2017年10月12日神無月増大号掲載

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