上州戦争再び「中曽根大勲位」孫の「KY伝説」

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 機を見るに敏とは政界の処世術。その最たる成功者は、「風見鶏」と呼ばれ、総理にまで登りつめた中曽根康弘大勲位(99)だろう。それ故、孫の出馬表明には、驚くほかなかった。

「彼の行動は非常に残念」

 こう嘆くのは、群馬1区(前橋市、沼田市など)の自民党関係者だ。

 本誌(「週刊新潮」)が4年前に女子大生の買春を報じた佐田玄一郎代議士(64)から、比例北関東の尾身朝子代議士(56)へバトンタッチするはずが、佐田氏がダダをこね、中曽根康隆氏(35)まで手を挙げたのだから、戸惑うばかり。

「昨年5月、1区の県議団が佐田さんの公認に反対し、後継者を選考した際、中曽根さんは尾身さんに負けた身です。彼女を公認候補として党本部に推薦すると県連で機関決定しているのに、事前に知らせもなく出馬会見を開き、自民党の公認が欲しいと言う」(同)

 いずれ父である中曽根弘文参院議員の後を継ぐこともできるのに、

「総理を目指しているから、衆院議員でないとダメなのだそうです。彼は、米コロンビア大学大学院で一緒だった小泉進次郎さんをライバル視していて、早く差を縮めたいのでしょうが、こんな勝手は通りません」(同)

 祖父の背中を追いかけているわりに、風向き、いやそれ以前に空気が読めないようだ。

 幼稚舎から大学まで慶応で育った彼は、大学院、JPモルガン証券を経て、4年前から今年8月まで弘文氏の私設秘書を務めていた。

「地元の会合に先輩秘書が運転する車で来て顰蹙を買い、先輩は“秘書の秘書”なんて陰で言われていた」

 と、地元政界関係者。

「あるパーティーで、他の議員の秘書が立っているのに、遅れて来る予定だった弘文さんの席に座り、主催者に怒られたこともあった。決して悪い人ではないけれど、典型的なお坊ちゃん」

 当人は「全く身に覚えがない」と否定するが、上州名物“空っ風”が吹きつけている。

週刊新潮 2017年10月5日号掲載

特集「嘘と恨みと私利私欲 落としたい『政治屋』」より

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