「前原」「小沢」の蜜月 野党“共闘”が“共倒”に…

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共産党はシロアリ

 民主党時代の2人は“天敵”と言われるほど距離があったことで知られるが、下野後、間は縮まった。政治部デスクによれば、

「もともと同志の少ない前原さんは、党内基盤を固めるため、小沢さんと近い松野頼久さんたちのグループに接近。その伝手で小沢さんと何回も食事をし、意気投合した。小沢さんも“前原を育てるのが生き甲斐”と言うくらい、熱心に教育しています」

 そんなワケで党内では、代表選での主張は保守派を取り込むための方便、いずれ来るのは小沢仕切りの選挙か――と、疑念の声が広がっているというのだ。

 先の代議士が言う。

「そもそも、共産党との距離以前に、党内では、政権与党時代、執行部に反発し続け、結果、党分裂を招いた小沢さんへのアレルギーが強い。それに引きずられていては、代表の求心力も落ちていく一方で……」

 このままでは「裏切られた」と考える保守系の離党ドミノが続くかもしれない、と言うのである。

 元民主党の代議士で、政治評論家の木下厚氏は言う。

「かつて前原さんは“共産党はシロアリだ”“協力したら土台が崩れる”と言っていた。それが彼らと組んでは言葉と行動がまったく一致しません。党への信頼がますます失われ、いずれかつての社会党のような『反対政党』に堕ちる。政権交代どころではなくなるでしょう」

 同じ人に党を再び壊されるなら「歴史は繰り返す」の格言通り。1度目は悲劇、2度目は……。

週刊新潮 2017年9月28日号掲載

特集「核ミサイル連射を勝利の女神にした『安倍総理』 『10月総選挙』選良たちの喜劇」より

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