なぜ追い求める「インスタ映え」 識者たちが読み説くその心理

社会 週刊新潮 2017年9月21日菊咲月増大号掲載

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死亡事故も起きた“インスタ映え” 自己発信に余念なき人々(下)

 9月4日に沖縄県「伊良部大橋」で起きた32歳男性の転落事故。プロポーズにOKを貰い、喜びのあまり橋の欄干を乗り越えたと見られているが、現場はネット上で“インスタ映えするスポット”として有名だった。当日も写真を撮るべく手すりを跨いだ可能性も指摘され、“インスタ映え”が引き起こした事故だとも言える。SNS花盛りの昨今、何が人々を自己発信に駆り立てるのか。

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 評論家の大宅映子氏は、

「インスタグラムは娘も孫もやっています」

 と明かしつつ、

「最近はどこへ行っても写真を撮る人ばかり。この間もお寿司屋に行ったら、隣の席にカップルがいて、女性の方が握りが出てくるたびスマホで撮っている。撮り終わってもスマホをいじくり回して、バッグに仕舞わずテーブルに置いたまま。やっと食べたと思ったら、また少しも経たないうちにパシャパシャやり出して……。私はずっとイライラしていて『食事の時くらいおやめなさい!』と、もう喉元まで出かかりましたが、一緒にいた娘に『よその人だから我慢して』と何度も制止されたのです」

 そんな体験を交えて、こう嘆くのだ。

「インスタとかツイッターの『いいね!』というシステムがいけません。そもそも安易な意思表示で、他人からの承認が欲しくて投稿するわけですから、スマホによる束縛を助長しています。朝から晩まで肌身離さず触っていないとダメだという若い子もいるくらいで、いわば“時間泥棒”。とはいえ、生活の軸にしているから深刻です。『スマホに人生を託していいのか』と思いますね」

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