陸海空「現役自衛官」緊急座談会 安倍総理が打ち出す“9条加憲”に意味はあるか
「9条加憲案」に意味はあるか――陸海空「現役自衛官」緊急座談会(1)
悲願の憲法改正成就のため、戦力の不保持を謳う憲法9条に自衛隊の存在を明記する「加憲」を打ち出した安倍総理。北朝鮮の脅威がいや増しに高まる中、改憲の是非を論じる臨時国会の開会を控え、陸海空の現役自衛官が集って、その意味を問う緊急座談会を開いた。
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――憲法9条は1項で「戦争放棄」、2項で「戦力の不保持」を謳っている。そのため、自衛隊の存在を違憲とする解釈が論争の的となってきたのは周知の通りである。この宙づり状態に終止符を打たんと踏み込んだのは、他ならぬ安倍晋三総理。憲法記念日の5月3日、改憲派の集会に寄せたメッセージの中で、9条の条文はそのまま残しつつ、新たに「9条の2」を加え「自衛隊の存在を明記する」ための議論をしてもらいたいと提案したのだった。当の自衛隊の制服組トップ・河野克俊統合幕僚長(62)は即座に反応し、総理案について「自衛官として大変ありがたい」と会見で発言したところ、「文民統制に反する」などと批判を浴びた。自衛官は憲法について私見を述べることすら許されないのだろうか。陸・海・空5人の現役自衛官が匿名を条件に本音を語る。
口火を切ったのはメンバー唯一の海上自衛官。30代で、イージス艦での勤務経験もある船乗りだ。
海自A 総理の9条の2加憲案をどう思うか、という問いには「河野統幕長の仰ったことが全てです」としか答えようがないですね。もちろん、統幕長はあのご発言でメディアに叩かれたわけですから、私もわざわざ口には出しませんが、自衛官ならみんな「よく言ってくれた!」と思っているはずですよ。
――これに応じたのは20代の陸上自衛官B氏。職種は、大砲を扱う「特科」である。
陸自B まあ、あえて「どう思うか」と聞かれればそういう反応になるでしょうけど、むしろ現場の隊員の多くは特に関心を持ってないんじゃないですか。中には海自Aさんのように問題意識が高い人もいますが、普段は隊員同士で憲法うんぬんなんて話はほとんどしないものですし。
――30代の航空自衛官C氏(職種:飛行)もこの発言に首肯している。
空自C それは実際そうでしょうね。我々だって普通の勤め人と変わりませんから、自分の仕事やプライベートの悩みはありますが、「自衛隊の存在が憲法に明記されていないのはおかしい」と日頃から思いつめてるような人はいないでしょう。
――もう一人の陸上自衛官で、諸外国では歩兵科にあたる普通科の陸自D氏(40代)も2人に同調し、こう続ける。
陸自D そんなことで悩んでたら仕事になりませんからね。解決する問題でもないし、憲法のせいで実際の仕事ができないということでもありません。憲法が変わっても、現場の自衛官にはいささかのメリットもないですよ。
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