泥棒市場と化した「メルカリ」 万引き本800冊出品でも放置

社会週刊新潮 2017年8月31日秋風月増大号掲載

万引き本800冊出品でも放置! 泥棒市場と化す「メルカリ」(上)

 スペイン・バルセロナの郊外にある「エンカンツ」は、ヨーロッパで最も古い蚤の市の一つだ。ガラクタからブランド品まで何でも揃っていて、以前は観光客の懐から盗まれたばかりのカメラが堂々と陳列されているなんてことも珍しくなかった。別名「泥棒市場」とも呼ばれている所以である。

 ところが、スペインまで行かなくても「泥棒市場」が日本のネット上にあるとしたらどうだろう。毎年、倍々ゲームで成長を続け、株式上場も控えた「メルカリ」に疑惑の目が向けられたのは7月上旬のことだった。

 現場は徳島県内で書店やレンタルDVD店を10店舗展開する郊外型のチェーン「平惣(ひらそう)」の売り場である。

 営業統括部長の後東祐次氏が言う。

「うちは本をPOSシステムで管理しているのですが、仕入れた数と在庫が合っていないという報告があったのです。それも1冊2冊ではなく、1タイトルにつき20冊ぐらいごそっと消えている。しかも、県南の3店舗に集中していたことから、これは転売目的の万引きにやられていると直感したのです」

 数日後、阿南市に住む40歳の女性客の存在が浮かび上がる。ダイエットやトレーニング関係の本を抱えて店内をウロウロする姿を監視カメラなどが捉えたのだ。しかも同じ本を何冊も手に持っている。店員の視線に気が付くと女性は慌てて本を棚に戻し雑誌を1冊だけ買って出て行く。怪しいと睨んだ店側は念のため彼女が店で作っていたポイントカードから、名前や入店記録を把握しておいた。

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