安倍総理、閉会中審査に“逆転出席”の内幕

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“雲隠れ”から一転――。

 加計学園の獣医学部新設問題などを追及する閉会中審査に、“疑惑の張本人”安倍総理が出席することが決まった。10日に開かれた同審査では、欧州への外遊中で出席せず、野党から不満が噴出していた。

 それでもなお、自民党国会対策委員会(国対)は、頑なに総理の出席を拒み続けていたのだが……。

 自民党担当記者の話。

「この展開には驚きましたね。総理出席が決まったのは13日ですが、昼の段階では野党との協議の中で、竹下さん(自民国対委員長)は『堂々巡りになるので、総理が出る必要はない』と、総理の出席を突っぱねていたんですよ」

 事態が急変したのは、そのわずか3時間後のこと。

「竹下さんは我々記者を国会の自室に呼び、『国対としては断ったが、総理が“自ら説明する意思がある”とお話しになったので、出席の方向で調整する』と。いったい何があったのか、我々も困惑していますよ」(同)

 この“逆転劇”には、自民党議員も首を傾げる。

「そもそも国対内では、総理出席の審査の開催は念頭にありました。野党が指摘するように、通常国会閉会後の記者会見で『丁寧に説明する』と総理自ら言っていましたしね。最初の審査の前の段階で、今月24日で検討はしていたんです」

 とはいえ、

「野党や前川さん(前文科事務次官)から、文書や音声など、加計問題がらみでこれまで出たことのない新ネタが出てきたらさすがにまずい。というわけで、総理不在の審査を挟んで様子を見た。結果、目新しいものはなく、これなら大丈夫となり、本格的に日程調整を始めたんですよ」(同)

 与党幹部が嘆息する。

「安倍さんは、自らの意思で出席を決めた体(てい)にすることで、懐の深さを強調するつもりだったのが、世間には『党と官邸が噛み合っていないのでは』という疑念だけが生まれてしまった」

 かくして“印象操作”は、猿芝居に終わるのか。

週刊新潮 2017年7月27日号掲載

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