加計告発「前川前次官」のルーツ キャリア試験4位の大資産家御曹司

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■安倍と刺し違える

 先の知人が続ける。

「前川さんは麻布高校から東大法学部に進学しています。お父さんは、製作所を継ぎ、社長を務めましたから、その一人息子である前川さんが本来は跡取りのはず。しかし、本人はどうしても役人になると聞かなかった。お父さんは泣く泣くあきらめたそうです」

 前川氏を知る山東昭子・元科学技術庁長官も言う。

「入省時のキャリア公務員試験の成績は上から4番目だったとか。当時なら大蔵省や通産省に入るのが普通ですが、自ら文部省を志願したそうです。おそらくお祖父さんの影響があったのではないでしょうか」

 祖父・喜作氏は、共同生活を通じ、知性・徳性を磨くことを目的に、昭和30年、目白に男子大学生向け寮「和敬塾」を設立している。敷地面積は7000坪で、あの村上春樹氏も大学時代に入寮。『ノルウェイの森』には、ここがモデルと見られる寮が登場する。

 この異端児・前川氏は後に文科省トップに上り詰めるが、周知の通り、天下り斡旋の責任をとって辞任。もちろん再就職は出来なかったものの、5600万円と言われる退職金を手にし、世田谷区内の100坪超の豪邸で暮らす身だ。バックに前川グループがあるから、生活の不安は一切、なし。

 政治部デスクは言う。

「野党は前川氏の証人喚問や参考人招致を求めていますが、与党はガンとして応じないため、国会で彼が証言するのは難しいでしょう。しかし、民進党は党内のヒアリングなどに彼を呼び、新たな事実を出させるなど、前川氏を徹底的に利用しようとするはず。失うものはなく“安倍と刺し違える”と腹を括っている本人も全面的に乗っかりますから……」

 醜き暴露合戦の幕引きは、まだまだ訪れそうにない。

特集「『安倍官邸』一強で日本が失ったもの」より

週刊新潮 2017年6月8日号掲載

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