「志村どうぶつ園」で紹介、「セカオワ」「マエケン」も支援 “殺処分ゼロ”でふるさと納税8億円を集めるNPOの嘘

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「ピースワンコ」の保護犬

 NPO法人「ピースウィンズ・ジャパン」が東日本大震災後に始めた「ピースワンコ・ジャパン」は、広島県内の犬の“殺処分ゼロ”を掲げ活動している。拠点を置く同県神石高原町の「ふるさと納税」によって活動資金は賄われているが、その実態は理想とかけ離れたものだった。

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 殺処分をゼロにする“1000日計画”を2013年秋に始めたピースワンコは、昨年3月末にこれを実現できたと発表、今後は殺処分対象の犬を全頭引き取ると宣言した。

 同団体の活動は「天才!志村どうぶつ園」(日テレ系)などのメディアで取り上げられているほか、ドジャースの前田健太投手や「SEKAI NO OWARI」ら著名人からの支援も集めている。

 さらにピースワンコを支えるのは「ふるさと納税」だ。14年9月に寄付の対象になると、神石高原町への寄付金額は80倍超となり、すでに8億円が“納税”。ピースワンコはHPで、現在も「殺処分ゼロ」を継続中としている。

 ところが、広島県動物愛護センターのデータには、「ゼロ」であるはずの昨年4月以降、52頭の犬が殺処分された旨が明記されている。

 さらには、保護犬に施すのが常識の不妊・去勢手術がほとんど行われておらず、今年3月に動物愛護団体などから公開質問状が出される事態となった。

 女優の杉本彩さんも質問状に名を連ねる一人だ。

「数字だけなら殺処分ゼロ達成は難しくありません。犬を生かしておけばいいのですから。しかし、その環境が見るに耐えかねるようなものなら、動物愛護ではない」(杉本さん)

「ゼロ」を看板に血税をかき集める団体の偽善を、5月10日発売の「週刊新潮」で詳しく報じる。

週刊新潮 2017年5月18日菖蒲月増大号掲載

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