吉野家、奨学金制度を開始 大学生“先物買い”の狙い

企業・業界週刊新潮 2017年4月13日号掲載

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〈合格だ これから4年 脛(すね)細る〉。この川柳が表すように大学生の子供を抱えると、台所事情が厳しくなる家庭は少なくない。国立大学でさえ、初年度は入学金と授業料だけで平均81万7800円。これが私大になると……。そんな親には朗報? “うまい、やすい、はやい”でお馴染みの牛丼チェーン「吉野家」が奨学金制度を開始するのだ。

 吉野家ホールディングスが始める奨学金制度の対象は、来年4月の大学入学予定者。入学金と4年間の授業料を全額貸与するが、吉野家の店舗で週3時間以上アルバイトをすることが条件だという。全国紙の経済部記者によれば、

「卒業後に吉野家へ入社して、4年間勤務すれば返済の義務がなくなる。また、『日本フードサービス協会』に加盟する同業他社へ入社しても、半額が免除されます」

 なぜ、この時期に奨学金制度を開始するのか。吉野家HDの企画本部に理由を聞くと、

「ここ数年、弊社の社長が講演会などで学校関係者から“経済的な理由で、大学に進学できない子供が少なくない”と聞き、それなら積極的に協力しようと考えたからです」

 吉野家HDの社長は、5年前に就任した河村泰貴氏(48)だ。

「吉野家HDの会長を務める安部修仁さんは、元バンドマンで、高卒のアルバイトから社長に上り詰めたことで話題になりました。実は、河村さんも“高卒のバイト上がり”なのです。そんな2人ですから、経済的な理由で大学へ進学できない高校生を他人事とは思えなかったのでしょう」(先の記者)

 吉野家HD企画本部の説明では学部学科は問わないが、返済利率などの細部は現在検討中だという。

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