「ヤマト過酷労働」スクープ 朝日新聞が書かない販売店の過酷労働

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■2週間休みなし

 別の元従業員が言う。

「月5日と決められていた休みも、1、2日は返上して出勤しなくては間に合いません。中には2週間近くもぶっ続けで働くケースもあった。しかも、ルールでは休日出勤には通常の1・35倍の給料を払わなくてはならないのですが、ほとんどの従業員は知らされていない。20年間ASAに勤めてきたから、未払いの残業代を合わせると凄い額になるはず」

 こんなことが起きてしまうのも、販売所に人が集まらなくなっているからだ。内部資料によると東京本社管内の専業従業員が1割以上減っており、最近はベトナムやネパールなどから新聞奨学生を集めて働かせているのが実態だという。

 しかも、ジャーナリストの出井康博氏によると、

「外国人奨学生は正規に募集するほか、個人的な紹介の“準正規ルート”があり、人手不足が深刻な中、ブローカー的な人たちも出てきている。さらには、日本人より賃金が安かったり、休みが少なかったりするケースもあります」

 そこで朝日新聞に聞くと、

「弊社の取引先である朝日新聞販売所(ASA)の労務環境は厳しさを増しており、弊社としてもASAの労務環境を改善するための支援策などに取り組んでいます。外国人奨学生の労働条件も含めて法令遵守を徹底するよう、ASAにお願いしています」(広報部)

 ヤマトに説教を垂れている場合ではない。

ワイド特集「花も花なれ 人も人なれ」より

週刊新潮 2017年4月6日号掲載

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