森友学園問題の“100万円寄付”“隠し玉ファクス” 嘘つきはどっちだ

国内 政治

  • ブックマーク

Advertisement

■イエスマン官僚

 ただ、昭恵夫人にも問題がないわけではない。安倍総理が“(妻は)報酬も講演料もまったく受け取っていない”と国会答弁で大見得を切った2月27日のその翌日、諄子さん宛てに、次のようなメールを送っている。

〈私は講演の謝礼を頂いた記憶がなく、いただいていたのなら教えて頂けますでしょうか。申し訳ありません〉

〈本当に記憶から飛んでしまって、他の講演等は全て振込みか、銀行に入れて税理士事務所に管理してもらっているのですみません〉

 結局、昭恵夫人も嘘をついていないという確信が持てないのである。それにもかかわらず、夫からの確認は「受け取っていない」と回答していたわけだ。

 それだけではない。

 安倍総理も、保身のためか、事実確認がテキトーなせいか、結果的に嘘を言い続けている。

 2月17日の衆院予算委員会で、

「私や妻が関係していたとなれば、総理大臣も国会議員も辞める」

 と言い放ったせいで、安倍総理は籠池理事長の“隠し玉ファクス”によって追い詰められることになった。

 そのファクスとは、籠池理事長から、“小学校を開設する国有地の借地契約を長くできないか”と相談され、昭恵夫人付きの政府職員が15年11月17日に返事をしたもの。

 政治部デスクによれば、

「谷査恵子さんという昭恵さん付きの政府職員は、財務省の国有財産審理室長に問い合わせたうえ、“現状ではご希望に沿うことはできない”と、籠池理事長に“ゼロ回答”をしている。そのファクスには“本件は昭恵夫人にもすでに報告させていただいております”と書かれていたため、“ゼロ回答”といえども、昭恵夫人が関わった証拠になってしまった。それでも、安倍総理は、妻は無関係だと言い張っているのです」

 当然、昭恵夫人の案件となれば、財務省の役人が“忖度”したと疑われても仕方あるまい。

「役人にとって、何よりも大事なのは人事。安倍政権は、官邸主導の人事を徹底しているので、顔色を窺うイエスマン官僚ばかりが増えている。そこへ、昭恵さんが不用意に“ファーストレディ”の肩書を振り回せば、得点稼ぎや恐怖心から“忖度”する役人が出るのも当然です」(同)

 しかし、安倍総理は“森友学園問題”が起こるまで、昭恵夫人が「瑞穂の國記念小學院」の名誉校長になっていたことやそのようなファクスのやり取りをしていたことも知らなかったという。

 要するに、夫婦の意思疎通ができていなかったことが、さらなる嘘を招いているのだ。籠池理事長、安倍総理どちらも嘘つきというほかない。そのうえでより罪深い大嘘つきは誰なのか、見極める必要があろう。

特集「『安倍昭恵』という家庭内爆弾」より

週刊新潮 2017年4月6日号掲載

前へ 1 2 次へ

[2/2ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。